一本の樹

沢田研二は一本の樹である

女たちは彼を仰ぎ見て

そして 微笑む

女たちは彼を求め

その手に一掌の糧を得る

 

女たちは彼を遠くで祈り

そして 風を聴く

女たちは彼のもとに眠り

そして夢を見る

 

女たちは彼を愛し

そして歳月を見る

 

私は

沢田研二にふたたび

輝かしいステージが

帰ってくることを予言する

なぜなら彼は天上の気配を

その枝先に触れた

スーパースターという名の

樹だからである

 

ずっと沢田研二

仰ぎ 求め 祈り

夢見て

そして

愛してきた女たちは

しあわせである

なぜならその樹にしか

天上を触れるような

見事な時間は

宿らないからだ

 

ざわめく葉音が

私たちの耳の奥に

今静かに

聞こえはじめている

  伊集院静

 

いっぽんのき

5+44+47+48+20+29=193

伝わるものが集まり強く引き離して時間をかけたエネルギー

根源から出て発信放射を入れる実体

生まれ出る実体  広がり